メッセージ - A年 年間

今日の福音朗読箇所(マタイ11:25-30)の中の有名な一節、「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」は、私たちにとって大きな慰めです。忙しく物事が動き、めまぐるしく変化し、矢のように時が過ぎていく現代にあって、私たちはみな疲れています。毎日朝から晩までしなければいけないことが山積みになっている、学業や仕事で良い結果を残さなければならない、気を抜き息をつく暇もない、そんな生活を送っているかもしれません。こうしたことは、私たちがこの世界で生きていく上で必要であり、責任を負っていることです。

けれども、それらが最も重要なことではない、手段であって目的ではない、もっと大切なことがある、とイエスは語ります。「わたしのもとに来れば安らぎを得られる」というのは、そのもっと大切な、新しい価値観の提示です。「柔和」で「謙遜」(11:29)なイエスの生き方は、私たちがこの世的な強さや結果や価値を求められるような中にあってもそれにしばられず、大切なものを見失わないように、と私たちを招きます。
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