メッセージ - B年 年間

今週の福音朗読のマルコ1:29-39は、大きく二つに分けられます。前半(1:29-34)では、イエスが熱を出していたシモンのしゅうとめをいやすと、日が沈んでから町中の人が、様々な病気の人、悪霊に取り憑かれた人々を連れて集まってきたので、彼らをいやされた。目が回るように忙しい、慌ただしい活動の一日が描かれます。

一方、後半(1:35-38)では、朝早くまだ暗いうちに起きたイエスが人里離れたところに出て行って祈るという、静かな時が描かれます。単に休息しているというのではない、力を得て再び宣教に向かう前の、人々が知らない活動の裏側の場面です。

ここに、私たちはイエスの生き様の深みを見ることができます。毎日押し寄せる群衆を処理するのに忙殺されていたのではなく、いつも立ち返るところがあり、自分の使命を再確認して神の恵みに力づけられていた、そんな姿が浮かび上がってきます。

現代の私たちも毎日忙しく働いています。しかし、私たちの働きには、表に見えているだけではない深みがあるでしょうか。「忙」しさに「心」を「亡」くしていないでしょうか。自分が根ざしているところと目指すところを見失わないようにしたいものです。

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