メッセージ - B年 年間

今日の福音は、ヨハネがイエスの名を使って悪霊を追い出している人を見かけことを報告し、それをやめさせるようにイエスに提案する場面から始まります。イエスは「やめさせてはならない」とヨハネに応え、そして「わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである」と弟子に教えられています。イエスに逆らわない者は、イエスの味方であるというこの考え方は、一見極端で、不可思議に見えますが、一方でキリスト教の浸透していない日本で生活する私たちにとって、大きな希望を持ったみことばであると言えます。それは私たちの周りにいるキリスト者以外の共に社会に住む人々も、「味方である」ということを意味するともとらえることができるからです。しかし日本の中では、宗教に対し、疑いの目が欠けられていることも確かです。しかし、このイエスの言葉のなかに私たちが社会の中でどう生きるかというヒントが示されているようにも思えます。

福音書の中でイエスは「わたしの名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、私の悪口は言えまい」と言っていますが、私たちの生きる現代においても、イエスの示してくださった愛のわざを行った人々が、本当の意味でイエスを拒絶することはないと思います。だからこそ私たちは、社会奉仕などを始めとするキリストの示してくださった愛の実践を通して、共にキリストの愛を分かち合わなければなりません。だからこそキリスト者ではない、私たちの周りにいる人々も「味方」なのであり、私たちは周りの人々、共に住んでいる人々と共に、イエスが示してくださった愛の実践をするように、招いているのです。そして私たちは、宗教や思想を超えて人々への愛によって一致するように招かれているのだと言えると思います。