メッセージ - B年 年間

今日の第1朗読のテーマは他の朗読の通奏低音のような、解釈の鍵となっているのではないでしょうか。それは、すなわち知恵であり、その知恵の対象である真理なのです。知識ではなく、また情報でもなく、それぞれの繋がりである知恵、物事の全体像を把握できる知恵、また、覚えたことによって知っていることを常に正しく適用できる知恵の貴重さが強調されています。人生の意義、命の価値、神の存在などのような大切なことについて第三者としてではなく直接知ることはどの財産よりも尊いとあります。

第2朗読によれば、全て人間の知恵の前に、まず神の言葉が知恵に満ちており、あらゆる真理の中に神の知恵が反映されています。しかも、現代しばしば見られているように、妥協するのでも、人の気持ちを傷つけることのないように薄めるのでもなく、真理は細かいところまで大切なものを見分け、場合には医者のメスのように人間の心に突き刺すこともあります。言うまでもなく、それは苦い薬と同じように、癒すためのことです。

それから、福音書が言うように、神の言葉が伝えようとする真理や、肉となった真理であるイエスの言葉を受け入れることは簡単でない時があります。それを自分の命の中に迎え入れるためには、何かを犠牲にする必要がある場合もあります。地上的な宝と天上的なそれには同時によりすがることはできず、最終的にはどちらかを選ばなければなりません。人間的にはすぐに不可能かもしれませんが、少しずつ神の力によって知恵に富むものになっていくことができるよう、今日改めて祈りましょう。

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