メッセージ - B年 年間

典礼暦も終わりに近づき、聖書朗読箇所のテーマも「終末」に関するものとなっています。しかし、そこで大切にされるのは、終わりそのものより、終わりがある中で、世の終わり・私たち自身の終わりに向けて「今」を生きるために何が必要か、ということです。

第一朗読のダニエル書でも福音朗読(マルコ13:24-32)でも具体的な終末イメージが語られます。

「大天使長ミカエルが立つ・・・多くの者が地の塵の中の眠りから目覚める・・・目覚めた人々は大空の光のように輝き・・・とこしえに星と輝く。」(ダニエル12:1-3)

「太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。そのとき人の子が栄光を帯びて雲に乗って来る・・・人の子は天使たちを遣わし・・・選ばれた人たちを四方から呼び集める。」(マルコ13:24-27)

「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」(マルコ13:31)

大切なのは 書かれていることが文字通り起こるかどうかではありません。天変地異が起こるかどうか、いつどのように世の終わりが来るかが問題ではありません。特に「終わり」についての描写は、未来と言うより、聖書が書かれた時代の迫害や困難を多かれ少なかれ反映したものです。

ですから、太陽が暗くなり星が落ちるということより、太陽や月や星までもが移り変わるものであるという状況の中で、私たちが今、何を頼りにして、支えにして、何に希望を持って生きるかが問われています。「終わり」がいつ来るか、どのように来るかわからないのを、ただ心配してもしょうがありません。すべて生きとし生けるものには終わりがあるが、終わりのないものがある、すべてこの世のものは滅びるが、滅びないものがある。その答えが、「天地は滅びるが、私の言葉は決して滅びない」というメッセージに表されています。

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