メッセージ - C年 四旬節

さて、今日の福音では主の変容の場面が描かれています。この四旬節の時期に、この福音が読まれるのは一見不可思議なように見えますが、弟子たちの聞いた「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」という声から理解することができるように思えます。福音でモーセとエリヤが現れますが、モーセは律法を、エリヤは預言者を意味し、旧約の時代に約束された救いが、イエスを通してエルサレムの最期の出来事を通して示されます。さらに父である神は救いをすべての人々に示すために、愛するひとり子を選び、人間としてこの世に送り、苦難を通して救いの道を示しました。「これに聞け」、すなわちイエスに聞き従うこと、さらに言うとイエスは受難と十字架を通して私たちに救いの道を示されますが、そのイエスに聞き従うように教えています。父である神は愛するイエスを弱い人間として送り、十字架と復活を通して栄光への道を示しましたが、私たちも同様に自分たちの十字架、弱さを背負いながらその弱さに打ち勝って復活の栄光に与るように勧められています。イエスは弱い人間となりましたが、私たち人間と共に十字架の道を歩むように招かれているように思えます。私たちが共に寄り添い、その苦難の道を歩むことこそ「これに聞け」の意味するところだと思います。ここのところウクライナ侵攻のニュースがよく聞かれます。決して対岸の火事ではありません。出来ることはないかもしれませんが、私たちが祈りのうちに共に寄り添い、この苦難を乗り越えることができるように祈りましょう。