メッセージ - C年 復活節

この主日の福音朗読(ヨハネ10:27-30)は非常に短いイエスの言葉から取られていますが、そこでは、私たちがイエスの手の内にある羊だとされています。羊は家畜の中でも、人の手を必要とする動物で、数千年もの長い間、人間に飼われてきたので、今さら野生に戻ることもできず、生まれる子羊を取り上げるところから、餌の世話などすべて助けが必要なのだそうです。また、単独ではなく群れで行動したがる動物で、群れから引き離されると強いストレスを感じるようです。その上、自分が積極的に何かを始めるより、羊飼いなり、牧羊犬なり、群れ全体なりについていく傾向がとても強いと言われています。ですから、先を行くものが間違っていてもついていってしまうようで、一匹の羊が崖から飛び出した後に、群れ全体が同じように崖から次々と飛び降りて死んでしまった、ということも起こっています。更に、非常に臆病で、何か危険に直面すると、単純にそこから逃げ出そうとする行動を真っ先に取る弱さもあります。

私たちは、このような羊にたとえられています。ことさら卑下する必要はありませんが、冷静に考えても、私たちはいつも誰かの助けを必要としながら生きています。それは物理的な援助もあるでしょうし、安心感を与えてくれる心の支え、道を示してくれる導き手でもあるでしょう。私たちは、最終的には、何に頼るでしょうか。誰の声に耳を傾けて行く先を決めるでしょうか。

イエスは私たちに対し、「わたしの羊」と呼びかけています。