メッセージ - C年 年間

今日の福音(ルカ10:1-12、17-2)では、イエスが72人を派遣する場面が読まれています。この箇所で最も目を引く一文はやはり「収穫は多いが、働き手が少ない」という言葉ではないかと思います。現代のカトリック教会、特に日本の教会では、司祭・修道者の召命が減少をいかに克服するかが一つの大きな課題となっています。

そんな状況にある現代の教会だからこそ、全てのキリスト者が洗礼・堅信を受けたことによってイエス・キリストの「共通祭司職」に与っている、という事実を再確認することが大切であると思います。確かにミサを挙行する、秘跡を執行する、というのは司祭の役割、いわば役職的祭司職です。ですが、教会はそれだけで成り立たせることは出来ません。普段から教会を支える、教会を運営する様々な役割を担う、新しく教会を訪れる人を導く、そうした日常の生活から私たち一人ひとりは、教会のために奉仕するように招かれているわけです。

今日の福音箇所では、72人の弟子たちが派遣されました。彼らは「使徒」として数えられる人々ではありませんでしたが、それぞれがイエスの役割を担って、派遣されていきました。彼らもイエスの祭司職を担っていたと言えます。同じように、現代の私たちも、それぞれがイエスの祭司職を担う者として、教会のあらゆる場面において支えとなること、一人ひとりが、様々な場面において働き手となること、そうしたことを改めて自覚する必要があるのではないかと思います。

司祭・修道者の召命は確かに減少していますが、信徒の数が同じように大きく減少しているというわけではありません。日本人だけでなく、在日外国人の信徒の方々の数は増え、むしろ司祭・修道者に求められる役割は大きくなっています。まさに収穫が多く、働き手が少ないのが日本の教会であると言えます。そのような時代の中で、私たち一人ひとりが自分に与えられたキリスト者としての使命に奉仕し、イエスの役割を担う者となることが出来るように、今日の福音箇所を心に深く刻んでおきたいものです。