メッセージ - B年 四旬節

 

「イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家としてはならない。」ヨハ 2:15-16

  • 愛によって、愛のために人間を創造してくださった神は、いつも私たちと共におられるし、ご自分の愛を表わしてくださり、私たちの心の中でご自分に対する愛を起こそうとしておられます。なぜなら、神が求めておられるのは、私たち一人ひとりが愛をもって神の愛に応えることであるからです。この望みを実現するために、神はイスラエルにご自分との交わる場として神殿を建てるように命じました。
  • イエスは、神殿から商人を追い出すことによって、そこで行われていた儀式がもはや神の心に適うものではなくなっていて、本来の役割を果たしていないことを示そうとしました。当時はこのしるしを誰も読み取ることが出来ませんでしたが、神殿が生きているように見えても、実際に死んでいたという事実は、凡そ40年後、神殿が破壊されることによって明らかにされました。
  • エルサレムの神殿が壊されましたが、それを建て直す必要はありません。なぜなら、復活したイエスが、前の神殿よりも優れた、新しい神殿、つまり神の臨在、しかも、人間がどこにいても神と交わることのできる仲介者であるからです。
  • イエスは新しい神殿の役割をご自分の神秘的な体である教会によって果たしています。洗礼を受けることによって私たちは、この神秘的な体の部分、つまり細胞になり、イエスの使命にあずかるようになっています。キリストの体は滅ぼされることがないと保証されていますが、その一つ一つの細胞については同じことが言えないのですので、自分がどんな細胞であるかということについて常に見つめる必要があると思います。自分自身が、生き生きとして、体の働きを支える細胞になっているのでしょうか。それとも、死んでいるか、癌のように、自分を生かすためにこの体を利用しようとして、それを弱めるのでしょうか。キリストの体の一致を固め、その傷の治癒になっていますか。それとも、一致を壊し、新しい傷を負わせるのでしょうか。