メッセージ - B年 復活節

「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。」ルカ 24:46-47

私たちが抱いている恐れや怒り、または妬み、絶望、不正感や無力感などのような感情は、 殆どの場合、過去に受けた傷がもたらすものなのです。このような感情によって、古い傷が私たちを支配しています。そのために、正しいと思うことができないし、逆に正しくないと思うことをやってしまうことがあるのです。多くの人が過去の苦しい体験を忘れようとしていますが、この体験を忘れることができても、それによって負わされた傷が癒されない限り、私たちは自由に、喜びと平和の内に生きることができません。

復活されたイエスは、私たちにご自分の平和を与えながら、この平和を受け入れる方法を教えています。イエスが自分の傷を弟子たちに見せることによって、私たちも自分自身の傷をイエスに見せるように呼びかけています。私たちは、自分の傷を隠すことによってではなく、それを癒すことのできる方に見せることによって、本当の癒しの過程が始まるのです。

神はイエスご自身の苦しみと傷を全ての人の救いに変えてくださったように、私たちの苦しみから善を引き出すことができます。私たちの苦しい体験から悪だけではなく、善も生じていることに気が付くことによって、神の働きを確認することができます。この体験によってイエスに対する信頼が深まるし、私たちの癒しが進みます。傷が癒されれば癒されるほど、加害者をゆるすことが当然のことになります。イエスがご自分を十字架に付けた人々をゆるしたように、私たちも心から自分の加害者をゆるすならば、イエスが与えてくださる平和を受け入れることができるのです。