メッセージ - B年 祭祝日

「それから、イエスは言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。・・・信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」マコ 16:15-18

イエスは、ご自分の受難、十字架の死と復活によってすべての人々をあがなってくださいましたが、世界は全然変わっていないように見えるのではないでしょうか。つまり、イエスがこの世に来られる前と同じように人々は罪を犯しているし、前と同じように苦しんでいるし、前と同じように死ぬということなのです。

イエスの使命の一つの目的についてヘブライ人への手紙の中に書いてあります。「このように、子たちは血と肉とに共にあずかっているので、イエスもまた同様に、それらをそなえておられる。それは、死の力を持つ者、すなわち悪魔を、ご自分の死によって滅ぼし、死の恐怖のために一生涯、奴隷となっていた者たちを、解き放つためである。」ヘブ 2:14-15

考えてみれば、以上の言葉通りに人々が自己中心に生き、罪を犯したり、愛に背いたりするのは、殆どの場合、何の希望も持たずに、死とそれに先立つ苦しみに対する恐れによって支配されているからです。そのような現状に生きている私たちにイエス・キリストはご自分の言葉と行いによって、神の愛を現し、私たち自身の罪やその結果である死を含めて、この愛を滅ぼすことのできる悪がないことを教えてくださいました。そして、ご自分の復活によってそれは事実であることを証明してくださったのです。

イエスが成し遂げてくださった救いのわざの一つの結果として、私たちは神の愛を受け入れることができるようになりました。そして、この愛を受け入れる人は、最高の幸福の源である神と結ばれて、神と神の愛を受けた多くの人々と共に今だけではなく、永遠に生きることができるようになったのです。そのために、イエスを信じる人は、死とか、苦しみとか、他の悪に左右されるほど、それを恐れる必要がありませんので、イエスのように愛に根ざして、自由に生きることができますし、他人を悪用したりするのではなく、他人を生かすことができるのです。

私たちは、与えられた信仰、希望と愛に忠実に生きることによって、多くの人々がイエスの救いのわざを知るようになり、神の愛を受け入れることによって、この世界が神の国に近づくことができますように祈りましょう。