釈義 - B年 復活節

第一朗読(使徒言行録1・1-11)では、ルカ文書の第一巻「ルカ福音書」の末尾に記されたイエスの昇天の場面が再録され、より詳細に描かれ、地の果てに至るまでの福音宣教の使命が与えられ、イエスの再臨の約束が白い服を着た二人の人(天使)によって宣言される。第二朗読(エフェソ4・1-13)では、わたしたち一人ひとりにあたえられた恵みとしての召命は、唯一の神からのものであり、その多様性は様々であり、お互いに尊重しあうべきことが教えられている。福音書(マルコ16・15-20)においては、元来の写本では、マルコ16章8節で終わっていた最初の福音書(福音書というまったく新しい文学類型を創始した)の終わり方が不完全、やや不自然であると考えた、後代の写本家によって付加された部分である(16章9節から14節までを含み)。それぞれ、マタイ福音書、ルカ福音書、ヨハネ福音書の当該箇所を読んでいただければ、自明のことである。にもかかわらず、本日の福音書(マルコ16・15-20)において証言されていることは、すべて、福音書記者を含む最初期のキリスト者たちの信仰の証言のことばであることは、間違いのない事実である。わたしたち、現代のキリスト者は、それを信じ、それらの証しを通してイエス・キリストの父なる神のわたしたち一人ひとりに対する慈愛を信ずることができるのである。