メッセージ - B年 年間

「イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。」ヨハ 6:11

恐らく、イエスが五千人に食べ物を与えた「ガリラヤ湖の向こう岸」というのは、ベトサイダのことです。イエスがフィリポにパンを売っているところを教えて欲しかったのは、フィリポがベトサイダの出身であったので、この地方を良く知っていたはずだったからでしょう。けれども、フィリポは、素直にイエスのお願いを適える代わりに、そんな大勢の人々のために十分にパンを買うことが出来るかどうかということについて心配しました。

確かに、フィリポには集まっていたすべての人々を食べさせることができなかったが、パンを売っているところを教えることなら、フィリポにできることでした。イエス自身がこの群衆を食べさせようと思ったので、フィリポにそれを求めたのではなく、ただそれに協力するチャンスを与えようとしただけでした。けれども、フィリポは余計に心配したので、持っていた力さえもイエスに貸しませんでした。

多くの人々の精神的や物質的な貧しさを見たり、世界にある様々な苦しみや悪を見たりして、私たちにはすべての人々を助けたいという気持ちがあっても、助けることが決してできないのです。けれども、イエスはフィリポからすべての人々にパンを与えることを要求しなかったように、私たちからこの世のすべての問題を解決することや、すべての人を救うことを要求しません。これは唯一の救い主であるキリストにしかできないことなのです。イエスが私たちに求めているのは、救いの業に力ある限り協力することだけなのです。この願いに応えるために、私たちは、五つのパンと二匹の魚を持っていた少年と同じように素直にならなければならないでしょう。