メッセージ - B年 年間

「このパンを食べる人は永遠に生きる。」 ヨハ 6:58

体を養うために食べ物が必要です。現代には、人が長生きするために栄養バランスをとても詳しく考えるようになりました。子どもには、年齢に応じ、必要なカルシウム、ビタミン、鉄分などを考え、健康な体に成長させるために必要な栄養が医学的にも研究されております。大人も年配の方も、体脂肪やコレストロールの成分に気を付けながら、食事療法を行っています。しかし、人は例え医学の薦めを徹底的に守ったとしても、長寿の保証はされておらず、100歳を越しても、いつか必ず死ぬことになります。

今日の福音の中で、イエス様は私達に永遠の命のパンを約束してくださいます。それはイエス・キリストの御体であり、その飲み物はキリストの御血です。最後の晩餐の時にキリストが、パンとぶどう酒の聖変化によって、パンには、御自分の体を、ぶどう酒には御血を秘められました。御聖体の秘跡を頂く信者が五感によってパンだけを認知することができますが、キリストは、人間の五感の枠組みを超えて、聖変化されたパンの実体は、真のキリストの御体です。私達はそれを実感するために、恵みとして信仰という「もう一つの感覚」を頂き、それを成長させる必要があります。イエス様はこのために、人の病気を癒したり、死者を甦らせたり、水の面を歩いて波や風を静めたりして、自然と体の法則を越えて数多くの奇跡を行いました。

キリストの御体には、超自然の力によって、私達に永遠の命をもたらす「成分」があると、私達は信じています。それは十字架の死に至るまでのキリストが行動をもって実現した無条件であり、無限の神様の愛です。この愛は、人の罪を赦し、人間と神様との間に信頼関係を築き、神様との一致を作り上げることによって、私達を神様の命に与るようにします。ところで、御ミサの時に主の食卓に着く私達が、五感を使ってキリストの教えを聴いたり、祈りや聖歌を持って神様を賛美したり、御聖体を口の中で味わったりすることは、充分ではありません。五感によって私達はパンのみを感知することができますが、キリストの御体を感知することはできないからです。

信仰という「第六感」をもって、永遠の命のことばを心に納め、死に至るまで最大の愛を含むキリストの御体を自分の霊魂の中で「消化」し、それを自分の身とするならば、キリストが私達の内に復活し、私達は、永遠に生きる者となります。