釈義 - B年 年間

第一朗読:創世記2,18-24

第一朗読の、人間の創造についての言葉は民衆的な(J資料)物語である。民衆的な物語と言うのは、農業の社会に根ざした伝承である。だからこの伝承では、神は土の塵で人間を造り(2,7)、エデンの園で仕事をさせ(2,15)、生き物を支配する権利も与えた(2,18-20)。最後に、神は男性のために女性を造った(2、22)。この朗読の言葉にはさまざまな神学的かつ倫理的な意味がある。すなわち、人間は男性と女性である(2,23)。動物は人間と同じレベルの生き物ではない(2、20)。人間は動物に近づくことが絶対にできない(2、20.24)。

第二朗読:ヘブライ2,9-11

人間は神に造られた者というだけではなくイエスの死と復活のおかげで救われた者である。神は永遠の死から人間を守る(2,9)。ヘブライ人の手紙の著者によって書かれた、イエスによる人間の救いは、イエスと人間が兄弟であると表現できる理由である(2,11)。

福音朗読:マルコ10,2-16

ユダヤ教には教え、伝承、律法、典礼などがある。一つ一つの部分には歴史的な背景がある。ユダヤ人の苦しい歴史の中で現れた問題を正すためにユダヤ人たちはモーセの律法に新解釈を与えたり、新たな戒律を定めたり、新しい習慣を作ったりする場合が多くあった。今日の福音書の朗読に出た二つの問題はこの例である。ユダヤ人はイエスに従い、神の言葉の解釈より基本的な神の教えに戻ることが必要となった。