メッセージ - C年 年間

 

「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください。」 (ヨハネ2,5)

 

ガリラヤのカナでの婚礼でキリストが最初の奇跡を行ったという福音の中でいくつかの出来事は私たちに大きなメッセージを送っていると思います。

すなわち、①結婚する花婿と花嫁がだれだったかは教えられていません。そこに弟子と共にキリストと聖母マリアがいたことが分かります。②ぶどう酒が足りなかった時に、キリストが自ら奇跡を行おうとせず、聖母マリアは無理にお願いした様子が分かります。③イエス様が助けを約束していないのに、聖母は召使たちに、イエス様の言うとおりにするように言いました。④清めに用いる水がめをいっぱいにした召使にイエスは、そこから酌んで宴会の世話役に注ぐように命じました。水だと思った召使は失礼になって自分の仕事を失う不安があってもキリストに従いました。⑤キリストが水をぶどう酒に変えた奇跡を婚礼の客と世話役に知らされず、ご自分の弟子と召使だけに分かるようにされました。⑥キリストは最後に一番いいものを残して置かれました。

 

イエス様は救い主の使命を婚礼から始めたのは、最後の晩餐の時に神様とその民を結ばれる新しい契約の前印です。いわゆる、キリストは花嫁である教会の花婿となり、神と人が愛の内に一つに結ばれる喜びを予告します。奇跡を御自分の名誉のためにならないようにとキリストは配慮なさいます。しかし、御自分を産んだ母マリアの取り次ぎを退くことは有りません。

イエス様は、聖母を未来の教会の母と取り次ぎ者に致します。聖母マリアが召使たちに、イエス様の言いつけのとおりにするようにと勧めたのは、すべての人はイエスの御心に従って行うようにお薦めとなります。召使と弟子だけがこの奇跡に関わったのは、私たちもいつも主に仕え、キリストの弟子として救いの喜びを多くの人々に告げ知らせる使命を受けていると促しています。最後の「善いぶどう酒」は、人が試練の中で精錬された後に、「教会の花婿」であるキリストの愛を味わうことができる象徴となります。御告げの時に「お言葉のとおり、この身になりますように」と仰った聖母マリアは神様の偉大な恵みに与った経験があります。

だから、聖母マリアは今も、私たちにキリストを指し示して言います。「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください。」 と。