メッセージ - C年 復活節

 

「あなたがたに新しい掟を与える。

わたしがあなたがたを愛したように互いに愛し合いなさい。」(ヨハ13:34)

本日の福音は最後の晩餐の広間を紹介します。ユダがキリストを裏切るために出て行く時刻を強調します。私たちの誰一人も、人に裏切られた経験があると思います。その時にその心の中で何が起こったかは、人によって心の持ち方が大きく違っていると思いますが、裏切る配偶者を無理に引きとめたり、友の悪口や批判をしたりすること、心が否定的、拒絶的でいっぱいになることはマレではありません。その時に私たちの心の中で愛が消えて行きます。しかし、ユダが裏切ろうとしたその時、イエス様は、無理に引きとめることも、呪うこともなく、弟子たちに互いに愛し合うことを命じます。

愛の掟とは、キリストが初めて与えたものではありません。モーセ律法の中で、すべてを尽くして神を愛し、隣人を自分のように愛することは書かれています。では、なぜキリストが互いに愛することを新しい掟としてお与えになったかは、私たちに問いかけるものがあると思います。

使徒として選ばれたユダの裏切りの罪がキリストの心に深い傷を与えたにもかかわらず、イエス様は、御自身が愛しているようにお互いを愛することを教えました。その後に、キリストは自自身を十字架につけられた人のために赦しを祈り、死に至るまで私たちを愛し抜かれたことをお示しになりました。

いつの時代にも全ての人々は愛を求めています。しかし、人に裏切られた時に我々が愛を失い、愛の掟は古いことばだけになることが多いのです。最後の晩餐の時に、キリストは弟子たちに、又彼らを通して私たちに以下のことを求めていると思います。

1.愛を望んでいる私たちは自己中心的になる傾向がありますから、自分たちが考え

る愛ではなく、キリストが十字架上で実現した無償で無条件の愛を持って互いに

愛し合うこと。

2.新しい掟をもまもること、すなわち、人の不完全さのために私たちが心の中で愛

を失うことがないように、キリストと一致の内に各瞬間心の中でキリストの愛を

刷新し、その愛が足りないところに愛をもたらすこと。