釈義 - C年 年間

テーマ :弟子になるために

第一朗読:知恵9,13-18

第一朗読の主題は神の知恵である。人間の知恵には限りがあるので、神の御旨を悟ることは簡単にはできない(9,13-14。16)。人間にそれができるようにするためには、天から送られた聖霊の力が必要である(9,17-18)。

興味深いのは15行である。人間の体と人間の魂はお互いに合わないという考え方がある。それはユダヤ人の考え方ではなくプラトンの哲学派のような考え方である。

第二朗読:フィレモン9-10.12-17

フィレモンへの手紙は紀元後69-71年の間に書かれた個人的な書物である。その手紙の目的はコロサイ教会の一人のキリスト者(フイレモン)に、彼の家から逃げた奴隷(オネシモ)を再び受け入れるよう説得することである。逃げ出した時、オネシモは異邦人だったが、ローマに行き、パウロのおかげでキリスト者となり、自分の主のもとに戻ることを決めた。パウロの宣教によってキリスト者になった二人(フィレモンとオネシモ)が、社会的な関係より共同体的な関係のもとに新しい関係を作るようにというのがパウロの希望である。

福音朗読:ルカ14,25-33

「あなたがたはだれでも、自分の財産全部を捨てないでは、わたしの弟子になることはできません」と言うイエスの厳しい言葉には深い意味がある。キリスト者にとって、「なんでもいい」というやり方は許されない。イエスよりこの世の事に集中する人はなかなかイエスの弟子になれないだろう(14,33)。イエスの弟子になりたい人は良く考える事が必要である(9、28-32)。イエスの弟子の道は簡単ではないし、責任も重い(14,24-35)。