メッセージ - A年 年間

テーマ: 「その人が、聖霊によって洗礼を授ける人である」

洗礼者ヨハネは、キリストを迎えるために人々を準備させ、人々にキリストを指し示す使命を神様から受けていました。彼は、人を回心させるために水で洗礼を授けていました。自分が神から来られるメシアではなく、メシアの奴隷になる資格もない者だと証ししました。神から来られた救い主はナザレのイエス様でした。イエス様は回心も、罪から清める洗礼を必要とされていませんでした。ヨハネの洗礼を必要としたのは、天国を開いて聖霊が降るため、また御父によって神の愛する子と呼ばれるという神の業を実現されるためでした。神の子が真の人となって洗礼者ヨハネから水による洗礼を受けたのは、キリストが授ける聖霊による洗礼によって、すべての人が神の子供となるためでした。

福音の中で洗礼者ヨハネは預言者としてイエス様について神様から次のようなことを証しするように遣わされました。すなわち、イエス様が、世の罪を取り除く神の小羊であることと、洗礼の時に聖霊が降ってある人にとどまったことを見たから、その人は、聖霊によって洗礼を授けるキリストであり、神様の愛する子であるという証しするためでした。イエス様が洗礼を受けた時に、聖霊が御子にとどまり、御父から御子に対する愛の言葉が聞こえました。このようにして、神様ご自身が三位一体であると啓示されました。従って、イエス様は御昇天なさる前に弟子たちに、すべての人に、父と子と聖霊の御名によって洗礼を授けるようにお命じになりました。

しかし、私たちが洗礼の恵みを受けるに相応しい者とするために、キリストはもう一つの〝洗礼″を受けなければならなかったのです。それは、洗礼者ヨハネが表現した通り、私たちの罪を取り除くために御父に献げられるいけにえの小羊になる御受難のことです。神が御自分の愛する子を死に至らしめるほどに私たちを愛してくださったという事実を、世は知るようになります。

我々の誰一人も洗礼を受ける時に次のようなことが実現されます。私たちに洗礼を授けるのは、キリスト自身です。それは、キリストの神秘体である教会の神様に選ばれた奉仕者の手を通して実現される秘跡です。キリストの洗礼の出来事は、私たちの洗礼の時に再現されます。私たちのために天国が開かれ、神の御元に入ることができるように聖霊が降ります。聖霊の恵みによって、私たちは三位一体の交わりに加わり、神御自身が私たちの内に生きるようになります。聖霊は神の息吹として私たちに神の命(永遠の命)を与え、神の子供として資格をくださるのです。キリストに続き、私たちの一人ひとりも、父なる神にとって、「愛する子供」となります。