メッセージ - B年 降誕節

 

降誕祭で救い主の受肉が祝われた後、この公現である意味クライマックスを迎えます。この祝日のテーマは、救い主が全世界へ顕現するという出来事です。光のサイクルの頂点であり、光がテーマとなります。少し詳しく見ておきましょう。

イエスが人間存在として現れた出来事が降誕祭であり、それは、ユダヤ人たちへの最初の顕れであり(羊飼いたちへ)、最初の異邦人たちへの顕れであり(三博士へ)、三位一体の最初の啓示であり(イエスの受洗―天からの父の声、鳩のかたちの聖霊)、

弟子たちへの最初の顕れがカナで現実となりました(カナの婚宴での最初のしるし)。

東方教会では、この典礼季節に、伝統的に三つの奇跡(tria miracula )が継続して祝われます。それは、三博士の来訪、イエスの受洗、カナの奇跡です。

きょうの祝日には、福音朗読として、三博士の来訪の記事が読まれます。これは、ABC年共通となっています。第一朗読のイザヤ書は「詩的な」言葉であり、第二朗読のエフェソ書はパウロの「神学的言表」あり、福音書は「物語り」の形になっていますが、

すべてが、この救い主イエスの全世界に対する意味を伝えています。集会祈願の言葉で表現するなら、「すべての民の光である父よ・・・御ひとり子を諸国の民に示されました・・」ということになります。イエスの生涯全体が神の顕現であり、その存在自体が神の見えるしるしとなっていますが、この典礼季節には、主の初期の顕現を祝うことになっています。

ところで、東方からの三博士(占星術の学者たち)の来訪は何を表しているのでしょうか。後の民間伝承の展開では、この三名にそれぞれ、カスパル、メルキオール、バルタザールという名前が付けられ、若者、老人、黒人とされています。つまり、イエスの誕生が全人類の救いとなることが伝説の形で表現されていることになります。彼らのイエスへの贈り物も象徴的です。レオ教皇の説教から引用しておきます。「さて、博士たちのささげた贈り物をキリストに導かれたすべての人がささげていることに注意するならば、正しい信仰を持っているすべての人の心の中で同じ奉献が行われていることに気づく。すなはち、キリストが世界の王であると認めている人は、自分の魂の宝庫から黄金を取り出しているのである。神の御ひとり子が人間の真の本質をご自分に結合されたことを信じる人は、没薬をささげるのである。御子が万事において御父と等しい尊厳を持っておられると宣言する人は、乳香で敬うのである」。

イエスを主キリストと宣言し礼拝する人は、実際の日常生活でも、そのような信仰に基礎づけられた生き方に呼ばれています。信者の一人一人がキリストの光をいただきながら、世を照らすものとなりますように。