メッセージ - C年 復活節

 

「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ」 (ヨハネ21,6)

本日の福音が紹介するキリストの復活の出来事は、御復活の目的について教えさせるものがあります。弟子たちが自分の意志に従がって漁に出て夜通し働いても、空しく、何も獲れませんでした。ところで、イエス様の一言、「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ。」に聞き従うと、一瞬の内に大きな魚153匹もかかりました。即ち、復活したキリストに聴き従うことは、人生を苦しみから喜びへと変えます。

人間が神様に従わない時、傲慢になって互いの分裂を起こし、命の主である神様から離れて罪と死の餌食になると、聖書全体は教えています。ご復活なさったキリストは命の主です。漁をしていた7人の弟子たちは、復活したキリストに従った瞬間から、初めて自分たちが目指している目標に達するばかりでなく、彼らの想像を遥かに超えた多くの魚を獲ることができました。そして、彼らは、復活したキリストに気付いて仲間に紹介する喜び、キリストに出会う喜び、キリストと共に交わる喜び、キリストの内に一致の喜びを味わうことができたのです。

神の子は人間となって、私たちに死に至るまで御父に従順の模範を示してくださいました。それは、私たちが命の主であるキリストに従うことによってのみ、地上の生活を成功させ、彼との一致の内に永遠に生きることができるためです。

弟子たちが獲れた魚の153匹という具体的な数字、それは当時知られていた魚の種類の数です。以前、ペトロを弟子に呼ばれたキリストは、人間をとる漁師にすることを約束してくださいました。この度の不思議な漁の奇跡は、キリストがペトロに、魚ではなく、出かけて人間をとる漁師としてすべての民に、主のご復活の「網」を打つ時が来たことを促してくださいました。

現代に生きる私たちは、キリストの神秘体としてご復活の信仰を証し、すべての人々が命の主であるキリストに従がって永遠の命に与るように働きかける使命に目覚める必要があります。その使命を果たすことができるように、神言会の創立者聖アーノルド・ヤンセンに倣い、次の言葉を持って祈りましょう。

「イエスの御心がすべての人の心に生きるようにしてください。」