メッセージ - C年 復活節

 

第一朗読:使徒言行録2,1-11

イエスは自分の死及び復活の後、四十日にわたって自分の弟子たちに現れ、彼らが人間の救いについてイエスの福音を述べ伝えられるように必要な準備をされました。この期間を終えた後、イエスは昇天し、イエスの弟子たちは、この世界で宣教活動を始める前に、天から降った聖霊を受け取りました。このおかげで彼らはイエスの命令どおり(使徒1,8)世界中に福音を述べ伝え、主イエスの証人になりました。しかし、聖霊降臨の主日にはそれ以上に重要な意味があります。まず、聖霊降臨とは終末的な時代が始まったということを証しする出来事です。預言者ヨエルによれば(ヨエル3,1-5)、この世界が終末を迎えるとき、唯一の神を信じているすべての人々が聖霊の力を受け,この力のうちに唯一の神の証人となり、救われた人々となります。終末の時代は聖霊降臨から始まり、今も続いています。この時代にキリスト者たちは証人としてこの世に暮らしています。また、聖霊降臨はキリスト教が神による正しい宗教であると確認できる出来事でもあります。もう一つの聖霊降臨の意味は、キリスト教が人間の力によって始まり,続けられ、最後まで真実の信仰を守るというものではなく、最初から最後まで聖霊の力で存在するということです。つまり、一人一人の信者も聖霊の力のうちに信仰の道を歩いているのです。

 

第二朗読:ローマ8,8-17

イエスの弟子達だけが聖霊を受け取ったのではなく、イエスを信じたすべての人々が聖霊を受け取りました。それは堅振式の時に行われたことです。その時からずっと信者一人一人が聖霊のうちに生きています。聖霊のうちに生きるということは、信仰や人生に関するすべてのことを、自分の力ではなく聖霊の力を使ってできるということです。それは人間の弱さと戦うこと(ローマ8、12-13)や救いに関すること(ローマ8、9-11)、キリスト者の尊厳(ローマ8,14-17)などを意味します。キリスト者として正しい生活ができるように、そして人間として幸せな生活が送れるように、聖霊の力が必要になります。

 

ヨハネ14,15-16.23-26

キリスト教の信者たちは、イエスが昇天してからは、一人で信仰の道を歩いているのではなく、イエスの約束通り聖霊を受け取って聖霊と共に最後までキリスト者の生活をしていきます。聖霊と共に生活をするということは、毎日の生活に聖霊の七つの賜物を使っているということです。堅振式の時に受け取った聖霊の賜物を使えば、信仰やキリスト者の生活を間違えることはありません。霊霊の七つの賜物とは次のものです:「知恵」(wisdom)、「悟り」(understanding)、「助言」(counsel)、「勇気」(fortitud/courage)、「知識」(knowledge)、「愛」(piety)、「畏敬」(fear of the Lord)。これらの賜物のおかげで、何よりも「唯一の神を愛し」、そして「自分のように隣人を愛し」という二つの掟が最も大事なことであると理解できます。