メッセージ - C年 年間

ルカ7:11-17

イエスがある母親の、死んでしまった一人息子を起き上がらせたのは、この母親を見て、憐れに思ったからでした。それは決して、神の子としての自分の力を誇示するためではありませんでした。ですから、この癒やしに立ち会った人々も、奇跡を行ったイエスではなく、このような大預言者を彼らの間に現れさせ、民を心にかけてくださった「神を賛美した」、と言われています。

夫を亡くし、母一人子一人で生きてきたやもめが、たった一人の家族である愛する息子を亡くして悲しみにうちひしがれ泣いているのを見て、イエスは心を動かされ、憐れに思われました。そして、「近づいて棺に手を触れられ」ました。それは、強制されてではない、イエスの側からの積極的な介入、それも愛に基づく働きかけでした。

私たちの中で現される神の働きは、私たちを愛するがゆえの、神の側からの積極的な介入です。私たちを愛して下さる神は、私たちに近づき、手をさし延べ、触れて、手を取って起き上がらせてくださいます。私たちはそのさし延べられた手に気づいて、その手にすがって、引き上げていただくだけです。