メッセージ - A年 年間

今日の福音に見られる「地の塩、世の光」というフレーズは、聖書の中でもおそらく最も有名な言葉の一つではないかと思います。これは、やはり有名な山上の説教の中で、集まってきた民衆たち、社会的地位が高いわけでもなく、特別な教育を受けたわけでもない、ガリラヤに住む田舎の貧しい人たちに向けてイエスが語られたものです。

イエスは、「あなたがたは地の塩である」「あなたがたは世の光である」と言われています。「地の塩になりなさい」「世の光になりなさい」と言われているわけではありません。もう既に「地の塩」であり、「世の光」である、既に神の子として恵みを受けた存在である、そう言われています。

けれどもその一方で、単に地の塩であり、世の光であるのだからそれでいい、と言われているわけではありません。塩であれば、その塩味を効かせなさい、光であれば、その光を隠さないで周りを照らしなさい、あなたがいただいている恵みを使って、分かち合って、周りの人に天の父を示しなさい、と呼びかけられています。

私たちは愛され、恵みを受けているけれども、それでひとり満足していればよいのではありません。愛は分かち合うものであることを、イエスはその誕生から死に至るまで身をもって示して下さいました。私たちも「地の塩、世の光」とされていることに感謝しながら、その働きを喜んですることができますように。