メッセージ - A年 復活節

今日の福音の箇所では、「羊」と「門」をキーワードにして、二つのたとえが語られています。別々のたとえですので、一緒くたにして、羊飼いのことなのか、門のことなのか、と混乱しないように。


最初のたとえでは羊飼いと羊との関係がテーマになっています。羊は長い間、家畜として飼われてきたために、もはや野生に返ったり人の世話無しに生きたりすることはできないそうです。ですから、両者の間には非常に強い結びつきがあります。羊が羊飼いを知っている、というのは、他でもない羊飼いこそが自分たちを生かし、助け、導いてくれる存在だということを知っていて全幅の信頼を寄せている、ということです。羊飼いが羊を知っている、というのは、一匹一匹の違いも特徴も知っていて、何より自分の羊たちを大切にしている、ということです。二つ目のたとえでは、「わたしは羊の門である」と言われていますが、その門は大切な羊だけを受け入れて中の草を食べさせ、盗人や強盗は入れさせない、羊を守る門です。


私たちは、外側にいて遠くから見ているだけではなくて、イエスの中に入っていって、親しい関係を築くかどうか、それが私たちにとって特別な関係になるかどうか、問われています。第一朗読で、ペトロの話を聞いた人々はイエスとの交わりの中に入っていきました。第二朗読のペトロの手紙では、保護者のない羊のようであった人たちが、キリストを牧者として見つけ、そこに「戻ってきた」と言われています。私たちも、ただ聖書の話を知っている、イエスの教えを知っている、というのではなくて、キリストのいのちの中に、その生き方の中に足を踏み込んでいくよう招かれています。