メッセージ - A年 復活節

第一朗読:使徒言行録6, 1-7


第一朗読の社会的、歴史的な背景には、紀元後一世紀のエルサレムに暮らす、イエスがメシヤであると信じている人々(初期キリスト教)の間の関係があった。信者の人数が増えてからというもの、イエスの弟子たちは自分自身で社会的な立場が弱いすべての信者達を世話することが出来なくなったので、初期キリスト教の組織の変革が行われた。弟子たちはすべての責任を負うのではなく、祈りや福音を述べ伝えること以外責任を持たないことになった。その変わり、この二つの義務以外の仕事を七人の執事に任せた。

この朗読の最も大切なメッセージは、弟子や司教や司祭などの第一の義務は祈りと福音を述べ伝えることであり、これ以上に大事な義務はないということである。

第二朗読:一ペトロ2, 4-9


この言葉はペトロがローマに暮らしている初期キリスト者たちに書いて送ったものである。異邦人の社会に存在するキリスト者たちが自信や勇気を持てるように、キリスト者自身について(1ペトロ1, 3-2.10)と彼らと異邦人の関係について教えた。選ばれた民、王の系統をひく祭司、聖なる国民、神のもの(つまり新イスラエル)として信者達はイエスの救いの業を広く伝えなければならない。イエスが救い主であるという福音を述べ伝えている信者達は、この世にキリスト教を設立しただけではなく、キリスト教の生きた石になる。

この朗読の重要なメッセージは、教会が建物や相識だけではなく生きている石(つまり信仰を持っている信者達)の集まりであるということである。第一朗読によれば、福音を述べ伝えることが使徒や司教や司祭の最も大切な義務であり、第二朗読によれば、信者達にとっても福音を述べ伝えることが最も大切な義務である。


福音書:ヨハネ14, 1-12


福音を述べ伝えるということの目的は、イエスを信じるようになるということだ。しかし、イエスを信じているということはどういうことか。ヨハネ141によれば、イエスはこういった。「神を信じなさい。そして、私をも信じなさい。」「神を信じなさい」とは、神が存在することを信じるというだけではなく、神を信頼することを意味する。同じように、「わたしをも信じなさい」という表現はイエスを信頼するということを意味する。イエスを信頼するということは、イエスを神の子と受け入れて、父である神を知っているということだけではなく、イエスを信じるすべての人々が天国に入れるようにイエスから必要な恵みを貰うと信じることである。だから、イエスは自分自身を「私は道であり、心理であり、命である」と呼ぶ。それはイエスが救い主であることを意味する。このことが理解出来た信者達は、救われるために必要な、神そのものの部分が理解出来たことになる。イエスを信じる人間と神の間をつなげる者がいる。それがイエス・キリストである。