メッセージ - A年 年間

イエスが使徒たちに問いかけているのは、「父や母、息子や娘を愛すること」と「自分の十字架を担ってイエスに従うこと」、「自分の命を得ようとすること」と「イエスのために命を失うこと」を天秤に掛けて、どちらを選ぶのか?ということです。自分と血がつながった家族を愛すること、大切に思うことは自然なことだし、良いことです。けれども、自分の家族だけを愛してイエスに従わないなら、私たちは血のつながりの外にある人に対して、愛を注ぐことを拒むことになります。イエスが背負われた十字架とは、関わる必要がなかった罪人、弱い人を愛し、彼らとつながりを持とうとしたことだからです。 自分の家族、自分の好きな人、自分の持ち物、自分自身にしがみついて手を離さないなら、他の何もつかむことはできません。私たちの手は、すべてに対して開かれているでしょうか。それとも、ある特定の人、物にだけ固執して、握ったまま閉じられていないでしょうか。 第二朗読でパウロが語る、キリストと共に死んで、キリストと共に生きるという生き方も、同様にこのような自分の内に閉じこもった愛に死んで、周りに開かれた愛に生きることだと思います。