メッセージ - A年 年間

神の国(あるいは天の国)は間違いなくイエス様の教えの中心的なテーマでした。この世において実現されますが、この世のものではないので、説明するためには喩えを用いざるを得ません。今日の福音では三つのイメージを使っています。それは「隠された宝」「高価な真珠」「魚釣りの網」なのです。

大事なメッセージの一つとして次のことが読み取れます。神の国は無償に神から与えられるもの、突然出会うもの、自分から求めるのではなく受け入れるものだということです。それと同時に、もし何かをしなければ見つからない、もしくは保ち続けることができない、という特徴も見られます。すなわち、ただただ神からいただくものとしての神の国、それからそのために努力し、何かを捧げるものとしての神の国、この二つの極端の緊張関係が大事だと思います。

さらに、今日価値観と優先順位についても考えさせられます。キリスト者にとって、神の国を生きることは他の価値と並ぶものではありません。超自然的な事柄に出会うと、日常的な諸価値を横に置かなければならない、つまり神の知識・神との友情・信仰を単なる地上的な暮らしに優先せずにいられなく、という効果も神の国にあります。ところが、何かを捧げることは確かに痛いことなので、多くの人はあえて天の国を今見つけたがらない、見つけるのを後回しにしようとしている、と言えるのではないでしょうか。