メッセージ - A年 年間

第一朗読で、神の言葉を告げたために迫害を受けたエレミヤは、神にその苦しみを訴えていますが、しかしそれにもかかわらず「あなたの勝ちです・・・私の負けです」と言って、神からの使命にその身をゆだねます。

第二朗読では、パウロが「自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい」と語り、この世のあり方にではなく、神の御心に従うようにと勧めます。

福音朗読では、受難へと向かっていくイエスが弟子たちに「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい」と言います。

どれも、「私」「自分」の利己的な思いではなく、神の御旨を求め、自分自身をそのために献げ、主イエスの後に従いなさい、という呼びかけです。自分の中へ中へと集中して、そこだけに目を向けて、「私」にこだわるとき、周りの人の喜びにも悲しみにも苦しみにも気づくことができません。自分と他者との関わりの中で生きることができません。何が本当に正しいことかを見失ってしまいます。しかし、自分の中できつく握りしめた手のひらを、外に向かって開くなら、そこに神の恵みが働きます。