メッセージ - B年 祭祝日

一年の一番始めに読まれる第一朗読の民数記の箇所は、祝福の言葉です。この一年、私たちの上にも、イスラエルの人々へ語られた同じ神の恵みがありますように祈ります。

第二朗読と福音朗読は、イエスの出来事の始まり、その誕生について語られたものです。
ルカ福音書において、イエスの誕生の次第を羊飼いたちから聞いた者は皆「不思議に思った」とされていますが、それに対して「しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた」と言われています。このマリアの態度は、お告げの場面で天使ガブリエルの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ、というその時の態度にもつながるものです。神の働きに対して、「自分には関係ない」「どうでもいい」という無関心、でもなく、神の計画よりも自分の意思、個人的な望み、独善的な正しさを優先させるのではなく、不安や恐れや疑問があるとしても神の御旨を受け入れる態度です。しかも、羊飼いたちから話を聞いた人たちのようにただただ驚くだけでもなく、神の望まれることが何かを完全に理解していないとしても(そして事実できないけれども)、何が神の御旨なのかをいつも求め続ける、問い続ける、そういう信仰の生き方です。

毎年1月1日には神の母聖マリアの祭日が祝われますが、マリアが「神の母」と呼ばれるのは、第二朗読のガラテヤ書が語るとおり、彼女からお生まれになったイエスが神の子であり、人の意思ではなく神の力によってこの世界に誕生したからです。

神の母マリアに倣い、私たちもこの一年間をキリスト者として、神の子キリストを世に示して生きることができますように。

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