メッセージ - B年 年間

今日の3つの朗読の共通点は「神からの言葉を預かり、それを知らせる人物がいる」こと、また「何かが近づいて、何かが終わりを迎えようとしている」ことです。旧約聖書におけるキリストの先駆者かつ予型(トュポス)の一つとしてヨナという預言者があります。二人とも神から遣わされて、神の裁きを知らせ、人々に回心の機会を与えていました。しかし、二人の間にも若干の差があって、前者は神の正しい怒りと町の滅びを告げているのに対して、後者は時(カイロス)が満ちて、神の支配する国が実現され始めたということ強調します。そして、イエスはただその知らせの道具ではなく、その良き知らせ(エウァンゲリオン)を具現している人でした。イエスにおいてこそ神の国が近づいたのでした。この世の様々な事物はやがて変わったり、無くなったりするはずですが、訪れる神の国を迎え入れた人には、その代わりの国が既に今ここで——イエスご自身を中心としながら——用意されています。その事実を理解したならば、パウロが言っているような生き方が当然生まれてきます。すぐ何もかも諦めて世の終わりを待つため財産を捨てるのではなく、それをあたかも所有していないかのように持ちまた使用する、つまりそれに執着しないという生き方なのです。何も持たないより、適切なものだけを持ち、しかも正しく管理することの方がずっと難しいです・・・

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