メッセージ - B年 年間

ヨブ記はヨブの苦悩の叫びを取り上げた旧約聖書の書ですが、今日の第一朗読の箇所も、彼の苦しみが赤裸々にのべられています。「横たわれば・・・いらだって夜明けを待つ」「わたしの一生は機(はた)の梭(ひ)よりも速く/望みもないままに過ぎ去る」などの嘆きの言葉は、財産も子供たちも失い、全身を皮膚病に冒されて苦しんでいるヨブの心をよく表しています。

 

第二朗読のコリント書では、福音を告げ知らせるという自分の務めについて、パウロの熱意が語られています。「すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです」「福音のためなら、わたしはどんなことでもします」というパウロの思いは、私たちの心を動かす力を持つものだと思います。

 

福音朗読のマルコでは、先の二つの朗読箇所が持つメッセージが一つになっています。病人や悪霊に取りつかれた人たちが大勢イエスの元へ集まってきますが、ヨブのように彼らが上げる苦しみの嘆きの声にイエスは応えます。その後、イエスは人里離れたところで一人で祈られますが、人々がご自分を求めていると弟子たちに言われると、「他の町や村へも行き、そこでも宣教する。そのために私は出てきたのである」という、パウロも語った福音宣教の使命への思いを示されます。

 

私たちには苦しみがありますが、その叫びに応えて下さる主がおられるということに力づけられて、私たちも周りの人々の苦しみに目を向け耳を傾け、応えていくことができますように。

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