メッセージ - B年 復活節

今日は、伝統的に「良い羊飼いの主日」と呼ばれる日曜日を祝っています。ご周知のとおり、良い羊飼い、もしくは良い牧者という聖書のイメージが生んだ描き方は、イエスを表す最も古い方法の一つです。実は、十字架に架けられたイエス像よりも古い描き方なのです。

ローマの聖コスタンツァ霊廟のモザイク画

 

このイメージは非常に凝縮された内容を含んでいます。以下の幾つかの点が注目に値します。

• イエスは唯一の羊飼いであり、群れを一つに集めます、つまり教会の調和と一致を指しています——キリストを中心とする教会は皆が勝手に意見を持ち寄る場ではありません。それは、もちろん、ただの中央集権的な独裁主義ではなく、むしろ各部分の役割を尊重しながら安定を目指す考え方です。

• 羊を飼うという行為は、後に使徒たちに委任されるわけだが、治めるとか搾取するとかではなく、命をかけてまで守るということを意味します。指導者になった者、なりたい者は、そこからたくさん見習う必要があります。

• ある描き方によれば、中央にあるキリストは羊飼いではなく、羊たちを率いる同様の雄羊であって、全てにおいて本性も運命を同じくするという意味を込めています。キリストも子羊であって、最も優れた意味で人間性を身にまとっています。

• 人間には色々なことが分からない、不思議に思うことがありますが、キリストには「緑の牧場」に通じる道が分かります——険しい部分もあるかもしれませんが、羊である私たちを豊かな命へと導くことを神から命じられているので、素直に信頼するしかありません。

• キリストはまず自ら同じ道を通りました。教父たちが好んでいた言い方をすれば、キリストは一つでなければなりません——頭は先に天に入りましたが、その体である教会はそれに従い、後で入らなければなりません。キリストが完全になるために私たちを自分の方へと引っ張っています。


ローマの聖クリメンテ大聖堂のモザイク画

 

それと同時に、今日は世界召命祈祷の日にも当たりますので、数の多い神学生・志願生を神に願うのではなく、まず神のみ旨に適った人、良き羊飼いと生を共にする人が今日にも招かれるよう祈りたいと思います。

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