メッセージ - B年 祭祝日

申命記 4:32-34, 39-40

ローマ 8:14-17

マタイ 28:16-20

アメリカで知り合ったお友達が最近日本に来ていただき、神学院で数日間滞在していました。帰る前にその知り合いは、「神学院はとってもいい共同体ですね」と言われました。数日間だけでしたし、ギリでそう言ってくださったのかなぁと半信半疑でその褒め言葉を聞いていましたが、出発の前にまた「本当にいい共同体ですね」と言われて、「あぁ、本当に思っているのかなぁ」と素直にその言葉を信じて、「有難うございました。今度院長に伝えておきます」と答えました。

先週、私たちは聖霊降臨を祝っていました。聖霊降臨は、集まっている人々の中に起こった出来事です。弟子たちがそれぞれ自分の家で、一人でいる時に聖霊降臨が起こったのではありません。聖霊降臨は、希望を失った人々、将来への不安を抱えながらも希望を失わずに心一つにして集まっている弟子たちの間に起こった出来事です。

今日は、三位一体の主日を向かいます。私たちが信じる唯一の神は孤独な存在ではないです。独りよがりの存在でもないです。私たちが信じる唯一の神は共同体的な存在、三位一体の神です。そして、神のあり方が全人類のあるべき姿でもあります。

マタイ福音書によれば、天に上げられる前にイエスが弟子たちに残した最後の言葉は、「すべての民を私の弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」と。

つまり、イエスが望んでいるのは、すべての人が三位一体の神の共同体の中に参与することです。神が共同体的な存在であるように、すべての人も一つの共同体となることが人類のあるべき姿です。弟子たちはそれを実現するための協力者となる使命を受けたということです。すべての人が聖霊に力づけられて、神を「アッバ、父よ」と呼ぶことができるように協力することです。すべての人がキリストと共に共同の相続人となることを実現することです。

三位一体の神の主日は、神が共同体的な存在であるように、すべての人も一つの共同体であることを再確認する日ではないでしょうか。

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