メッセージ - B年 年間

今日の福音では、会堂長ヤイロの娘のいやしという物語の中に、もう一つ別のいやしの物語、十二年間も出血していた女の人の話が入り込んでいます。二つのいやしの物語が交錯し、つながりがないように見えて戸惑いますが、しかしそこには共通することがあります。
イエスは、自分に触れていやされた女性に、「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。元気に暮らしなさい」と語りかけました。そして娘が亡くなったという知らせを受けたヤイロには「恐れることはない。ただ信じなさい」と言い、その娘には「起きなさい」と呼びかけました。両者に共通するのは、信じることが必要であるということ、いやしとは単に病気がなくなり命が助かることではなく、起き上がって、喜びを持って生きる力をもらうことである、という点です。
第一朗読の知恵の書では、神は命を与え、生かすためにこそ万物を造られた、と言われます。第二朗読のコリントの教会への手紙では、パウロが、主から恵みを豊かに受けているのだから、自分も他の人々に対して豊かに与える者になるようにと呼びかけます。
私たちは自分が豊かに与えられているという信仰に基づいて、力を受けて立ち上がり、いやしを頂いて歩み続けます。そしてその歩みの中で、神の恵みに応えてお互いに与え合うことが求められています。

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