メッセージ - A年 年間

今日の福音箇所で、イエス様はぶどう園で働く労働者の例え話を使って、神の国のあり方、神様の心について語られています。神の国のあり方、そしてぶどう園の主人である神様の心は、一般的なビジネスの価値観から見ると、不公平ではないかと思ってしまいます。しかし、神の国では神様は愛に基づいて賃金を与えてくださいます。賃金は、救いを意味します。

マタイ福音書の中では、神の国のあり方、神様の心の「気前の良さ」が描かれていました。マタイは「主人は夜明けに出かけて、1日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った」と書きました。これはどういうことでしょうか。神様は、永遠の命のために、自ら人を探してまで、恵みを与えてくださる、実に気前の良い方だ、ということです。この「気前の良さ」で多くの人々を救われるのです。

また、この例えの興味深いところは「1日につき1デナリオン」という賃金を労働者に与えることです。どんな人も、「1日につき1デナリオン」というのは一般的な考えから見ると、不公平に映ります。しかし、神様からすると、どのぐらい神様を礼拝したか、偉い人かどうかは関係ありません。全ての人へ同じ恵みを与えてくださいます。その恵みに気づき、自分に与えられた恵みに感謝できるかが大切なのです。

今日の福音書は、わがままは言わず、個人的の救いだけではなく、隣人の救いも考えなければならない、他者を妬まない、自身の持っているものに感謝して、神様に奉仕する心や、やる気を大事にするというメッセージを教えてくれました。神の御前では全ての人が同じ、それは神の愛する子だからです。ですから他者の恵みをうらやんだり、妬んだりして敵として見るのではなく、兄弟姉妹同士、互いにそれぞれの恵みを尊重し、支え合いましょう。どうか神様のこの心に気づき、神様からの祝福がみなさんの上に豊かにありますように。