メッセージ - B年 年間

今日の福音は短いわりに、とても大切なことがそこから伝わってきます。2人ずつ遣わされた12人の弟子(そこで初めて「使徒」と呼ばれている人たち)はイエスのもとに戻ってきて、果たすことができた数多くの使命を自慢して報告しました。休むことも食べることもできずに活動をし続けてきました。それでも足りないぐらいでした。まだまだ人々が押し寄せてきたのです。そこから何が分かるでしょうか。

まず、弟子たちはイエスの手先であったに過ぎず、最終的に群衆はイエスのところに来なければ満足できなかったということです。そんなに多くの人がイエスの教えを聞きたく、病気を癒してもらいたく集まっていたということは、この民は自分の牧者たちからほったらかしにされていたことを伺わせてくれます。まさしくエレミヤなど預言者たちがかつて批判していたことと共鳴します(第1朗読)。

しかしまた、このおびただしい群衆は必ずしもイエスの活動の最終的な成功を意味するわけではありません。行ったり来たりする人もいました。噂を聞いて好奇心だけで訪れた人もいました。弟子たちにしてもらえなかったことを直接イエスに求めに来てみた人もいました。自分のニーズだけを満たすことを期待して、或いは、周りに流されて来た人もきっといました。弟子である私たちの成功も量や数で測られるものではありません。使命の成功というものは、長い時間をかけて、共に時間を過ごして、たくさんの話をすることにかかっている、ということもこの物語から読み取ることができます。

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