メッセージ - C年 年間

「敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい」(ルカ6:27)とは、よくもこれほど厳しく、実現するのが難しいことを命じられます。悪口を言う者、侮辱する者、暴力を振るい、奪い取ろうとしてくる者のために祈り、親切にするように、という福音朗読(ルカ6:27-38)のイエスの言葉は、とてつもないチャレンジです。

ただ、「敵を愛する」とは、「嫌いな人を好きになる」ことではありません。もちろん、好きになることができれば一番いいでしょう。けれども、どんな人に対しても、どんな時にも、そうするというのは無理な話です。

しかし、すべての人を常に好きになることはできませんが、嫌いなままであっても、少なくともその人のことも神が愛し、受けいれてくださっていることを認めるということであれば、それほど不可能ではないかもしれません。怒りや悔しさを感じながらでも、相手のことを尊重することはできるかもしれません。私たちにとっては、絶対に好きになることではなく、無関心にならないことの方が重要なのかもしれません。「嫌なことをされたら忘れなさい、なかったことにしなさい」というのではなく、それでも目の前の相手に向き合って、徹底的に関わるように求められています。もし何もなければ、そこに神の愛は働きようがありません。

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