メッセージ - C年 復活節

福音朗読箇所(ヨハネ13:31-33a, 34-35)でイエスが「新しい掟」として弟子たちに与えたのは、「互いに愛し合いなさい」という言葉でした。最後の晩餐の後にされた説教の場面ですので、これが弟子たちに残した長いイエスの最後の言葉の一部です。自分がいなくなったら、これを指針に生きていきなさい、という、いわば遺言です。

「掟を与える」といっても、もちろん上から目線で偉そうに命令しているわけではありません。「互いに愛し合いなさい」という言葉には、「私があなたがたを愛したように」という前置きが付け加えられています。実際、この直前に、イエスはその「愛」のしるしとして弟子たちの足を洗いました。食事の前に、上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って弟子たちの足下にかがみ込み、土で汚れた足を一つ一つ手に取って、心を込めて洗いました。これは、そうされたペトロたちが恐縮してやめさせようとするほどのとんでもない行為でした。それだけ彼らを深く愛したということです。そのイエス自身が、「私があなたたちに示した、そのように、『同じように』お互いに愛し合いなさい」と語りかけています。イエスにとっての弟子のように、近しい人であったとしても、その汚い、嫌なところを手に取って、愛情を込めて受け入れ、やさしく包み込むことができるのか、「イエスのように」愛することができるのか、自分の心に問いかけます。

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