メッセージ - C年 年間

この主日の福音朗読の箇所は、五つのパンと二匹の魚パンによって、男だけで五千人もの人が満たされた、というイエスの奇跡の出来事(ルカ9:11b-17)です。もちろん、お話としてのインパクトはその奇跡の部分にありますが、本当に大切なことは、もっと目立たないところにあるような気がします。

たった五つのパンが解散するはずだった五千人を一つにしました。日が傾きかけて、十二人の使徒たちが言ったように、もう後は三々五々バラバラに別れて帰るしかなかった大勢の人たちが、これによって一つにとどめられました。あちこちの異なる村々からやって来た人たちを、このパンが一つに結びつけました。この交わりに、「すべての人」(9:17)が招き入れられ、パンが与えられました。お金がある人、社会的地位が高い人だけが優先して手に入れられたのではなく、誰一人、その交わりからこぼれ落ちることはありませんでした。

イエスが神の国について語り、病人のいやしを行っていたときのことだった(9:11)、というのも象徴的です。イエスが語る神の国とはどんなものなのか、そのメッセージと深く結びついている出来事ではないかと思います。

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