メッセージ - A年 年間

マタイ福音書では、大人になったイエスは、まず洗礼者ヨハネから洗礼を受け、荒れ野で誘惑の試練を受けた後、ガリラヤで宣教を始めます。それがこの主日の福音朗読箇所(マタイ4:12-23)のお話です。

イエスは「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言って福音を宣べ伝え始めたとされますが、この宣教活動の始まりにおいてしたことは「弟子集め」でした。最初に弟子になったのは、ガリラヤ湖で漁師をしていた2組の兄弟、シモン・ペトロとアンデレ、そしてヤコブとヨハネでした。その後も、たとえば徴税人のマタイ(9:9)など、様々な人々が弟子として加わり、そのうちの12人が特別な使命と共に使徒とされました(10:1-4)。

イエスの宣教活動は、個人的な活動ではありませんでした。弟子たちを仲間として、いつも共に行動し、その実りを分かち合いました。そしてイエスの死と復活の後、福音を宣べ伝えるという使命は、イエスから弟子たちへ、更に次の世代へと引き継がれていきました。

イエスの宣教が、イザヤの預言のことば(イザヤ9:1)になぞらえて語られます。「暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ」。弟子たちはその光をもたらす使命を受け継ぎました。現代のイエスの弟子になろうとする人も、この使命を分かち合うことに呼ばれています。