メッセージ - A年 年間

この主日の福音朗読箇所(マタイ10:26-33)では、「恐れるな」という力強い言葉が印象的です。このエピソードは、先週の主日の朗読箇所である「12使徒の選びと派遣」(マタイ9:36-10:8)と、その後の「迫害の予告」(マタイ10:16-25)に続く箇所ですので、弟子たちが宣教に出て迫害されても「恐れるな」ということです。

私たちは、何が正しくて良いことか、どう行動して何を言うべきか、頭ではわかっていても、恐れや恥ずかしさのために勇気を出せず、躊躇してしまうことがあります。そして、手を差し伸べられなかった、一歩を踏み出せなかった後悔と自責を抱えて日々を過ごしています。

イエスはそんな私たちを断罪して責めるのではなく、「恐れるな」と励まします。「敵前逃亡はゆるさない」という脅しではありません。「だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、わたしも天の父の前で、その人をわたしの仲間であると言い表す」(10:32)と語っているとおり、私たちの仲間として、私たちの隣に立って共にいてくださるからです。その励ましに応えたいと思います。