メッセージ - B年 降誕節

今日の主の降誕夜半のミサでは、イエスの誕生の次第が描かれています。ヨセフとマリアは宿屋に泊まることができずに、生まれたイエスを飼い葉桶に寝かせた様子が描かれており、とても王の誕生とは思えないような様子が描かれています。そしてその誕生が最初に告げ知らされたのは、羊飼いたちでした。当時の羊飼いは社会的に低い地位の人たちであり、あまり尊敬される職業ではありませんでした。天使たちは「民全体に与えられる喜びを告げる」と羊飼いたちに伝えていますが、イエスは小さな人々、特に希望を必要とする人々に対しての王であったことが分かります。

私たちのクリスマスの喜びは、悩む人々、苦しむ人々に近づくことにあるように思えます。それは苦しむ人々のために現れ、救いの喜びを告げ知らせたイエスのように、私たちも喜びを分かち合い、人々に近づこうとすることこそが私たちのクリスマスの喜びであり、イエスがこの世に生まれた意味だと言えると思います。今日の福音書の冒頭では、人口調査の記事が最初に書かれていますが、主の降誕は決して過去のおとぎ話ではなく、神がかつて行われたわざであり、そのわざは今、私たちの間でも行われています。だからこそ今日主の降誕を祝う私たちは、この喜びを人々に近づき、平和を築くように召されていると言えます。