メッセージ - B年 年間 |
今日の福音でイエスは律法学者に対して「人一倍厳しい裁きをうける」と教えられている一方で、生活費をすべて捧げた貧しいやもめに対して「だれよりもたくさんいれた」とその行いを褒めています。当時、律法学者たちは律法をよく守る救いに近い人々であると考えられていました。一方で貧しい人々は生活が困窮しており、宗教的な規定を守ることができなかったために、共同体の中に入れず、救いから遠い存在として捉えられていたことが分かります。イエスの教えはその常識を覆す教えであり、一方で律法学者たちを強烈に皮肉った教えでもありました。律法学者たちは律法を守ることに対して真面目ではありましたが、民衆たちに重荷を与え、その苦しみを顧みることがありませんでした。その意味で神の憐みの本質を見抜くことができていませんでした。しかし貧しいやもめは、自らを投げ打って神に仕えることを選びます。したがってイエスのこの教えは、地位や名誉、財産をどれほど神に捧げることができるのかということをわたしたちに問いかけています。
私たちの社会においては、地位や名誉、財産は大きな尊敬と生活の安定をもたらします。しかし教会共同体、そして信仰においては、そういった物事は関係なく等しく神の子です。その中で如何にして私たちが自ら遜って、神に仕えることができるのか、自分の持っているものをイエスに従うために捧げることができるのかが重要です。
私たちがイエスが遜って人となられたように、神と人々に遜って仕えることができるように祈り求めていきましょう。
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