メッセージ - C年 四旬節 |
きょうの福音に記された主イエスより「罪の赦しの宣言」にもとづいて、考えていきたいと思います。
まず、主イエスは女性に、「わたしもあなたを罪に定めない」と赦しの宣言をされました。これは、イエスが女性の犯した罪を曖昧にしたり、見逃していると言う意味ではありません。むしろ、イエスはこの女性がその罪を断罪され、処刑されることを望まないのです。どんなに重い罪を犯した者も死ぬのではなく、生きることを望んでおられるということです。
そして、もう一つ注目したいのは、主イエスは、「わたしもあなたを罪に定めない」ということだけではなく、「今からは決して罪を犯してはなりません。」と命じられました。それは彼女のいのちだけでなく、彼女の人生を救うために必要なことばでした。イエス・キリストが与えられる赦しは罪を容認するものではありません。私たちが罪を赦されたことを感謝し、犯してきた罪を悔い改めて、神様の御心の中に歩むことを願っておられるのです。
私たちも犯した罪を神様に赦して頂きながら日々を歩んでいますが、ただ赦して頂くだけではなく、赦して頂いたことへの感謝の気持ちをエネルギーとして、自らが置かれた場において、赦された者に相応しい新しい歩みを進めることが求められているのだと思います。罪を赦された者の生き方は、もはや、過去に縛られて生きる生き方ではありません。罪を赦してくださったイエス様とともに前に向かって歩んでいくものです。もちろん、そこには困難があり、葛藤があり、罪の誘惑があり、いろいろなことが襲ってきます。でも、こんな私たちを愛し、赦してくださり、いつもともにいてくださるというイエス様の赦しの宣言が、私たちを生かしてくれるのです。
イエスさまが、あるがままの自分を赦し、受け入れ、大切にしてくださっていることをいつも確認しましょう。そして、自分も自分自身を赦し、受け入れ、大切にしましょう。
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