メッセージ - A年 待降節

「彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈物として献げた。 (マタ2,11)

占星術の学者と言われている東方の博士が三人、偉大な王がお生まれになったことを示す星を見て、その導きに従ってベツレヘムで御降誕なさった幼子イエスを見つけて拝み、黄金、乳香、没薬を贈物として献げたと、私達はマタイによる福音から知ることができます。

贈物を贈呈するに当たり、誰でもそれを頂く人の特質を考えて自分にできるプレゼントを準備します。博士達も彼らに啓示されたことを心に留め、幼子イエスにそれぞれ違う贈物を献げました。黄金を献げた博士は、幼子イエスの内に王としての神の威厳が備わっていることを認めていました。次の博士は、乳香を献げて幼子が人を神と仲介する祭司であることを信じ、三番目の博士は、幼子には癒しと復活の力があると信じて没薬を捧げ物としました。各博士は、キリストの内に違う側面を見出したが、全部を合わせると私達には、キリストのアイデンティティと使命が公現されることになりました。

博士達の贈物は象徴として次のような意味があります。

黄金:王位、神性、栄光、豊かさ、気品、輝き(精錬)、権威。

乳香:祭司、神の仲介、祈り(神との交わり)、神の現存、聖性。

没薬:人間性、苦しみと死、癒し、永遠の命(mirra: 傷を癒し、また腐敗

を遠ざかるために埋葬に用いる高価な薬草。)

この博士達の贈り物は私達にキリストを啓示します。キリストは、宇宙万物の王である神で、私達を神との交わりに加えて聖別する祭司であり、御自分の受難と復活によって私達の心と体を癒し、永遠の命を与える救い主であります。

今日は、三人の博士達が2千年前に贈物を持って幼子イエスを拝んだことを思い起こし、典礼的に「主の公現」の祭日を祝います。ところで、日々の生活の中で私達一人ひとりは、自分にできる捧げ物を準備してイエス・キリストを主と拝み、主を公現する責任があります。キリストに相応しい贈物とは、神から頂いたあなたの一番尊い部分であることでしょう。