メッセージ - C年 祭祝日

 

「真理の霊が来ると、あなたがたを導いて、真理をことごとく悟らせる。」(ヨハネ16,13)

 

教会は、聖書の中で記されている神の啓示を教えます。真の神様は初めも終りもなく、すべてに及ぶ全能者であるから、唯一であり、他のものを神と呼ぶことはできません。キリストの言葉によれば、御父は真の神であり、御子キリスト自身も、聖霊も完全な神であると言います。これについて本日の福音の中でキリストは、御父が持っているものはすべて、ご自身のもの、聖霊はキリストのものを受けて、弟子たちを通してすべての人々に与えてくださると教えます。したがって、教会は、御父と御子と聖霊を信仰の対象にして、神を「至聖なる三位一体」と呼びます。

これは、人間には理解できない偉大な神秘です。人間は世界をコントロール(支配)するために研究を重ねて、ものを理解しようとしています。神様がお定めになった秩序を壊さない限り、それは御旨に従って行う尊いことです。なぜなら、神様は人を造られた時、「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ」(創1,28)と言われて、造られた世界を人間にお与えになり、私たちを御自分の代理として祝福してくださったからです。しかし、三位一体の神様は、人間によって理解されるものでもコントロールされるものでもありません。それを試みようとする者は、創世記が例える最初の人間アダムとエヴァのような罪を犯す危険があります。すなわち、人間が神様のようになりたいという傲慢の過ちです。

三位一体の啓示は神様を理解するためではなく、神様について真理を知り、信じるためです。洗礼の時の私たちが約束したことは、神様を理解することではなく、父と子と聖霊を信じるということです。信じている私たちは、「父と子と聖霊」の御名によって祈り、神様との交わりに加わり、秘跡の内に神様と一つに結ばれるのです。神様は愛だから「父と子と聖霊」は一体です。愛のある所には神様もおられます。神の啓示であるキリストは、ご自分の死と復活をもって真の愛を現してくださいました。この愛を知って人生の中で活かす人は、三位一体の神様の交わりに加えられ、神の命に与り、永遠に生きることができるのです。これは聖霊によって私たちに悟らせる真理です。