釈義 - C年 年間

テーマ : この世の宝

第一朗読: コヘレト1222123

ヘレニズムの時代(約紀元前3世紀)に書かれたコヘレト記は、さまざまな文化や文学と関連している。一般的に言えば、人生に関するいろいろな主題についての説明はユダヤ人的な考え方ではなく、古代オリエント(ヘレニズム時代の文化)の哲学的な考え方と深く関係している。この著者によれば、人間の一生は空しい。人間の行うことはすべて空しい。人生の終わりは死だからである。著者は神を信じているが、神は人間の世界から遠い所に離れている方であると捉えている。

第二朗読:コロサイ315911

パウロは人間の世界から離れた所に神がいるとは決して言っていない。すべての人間(異邦人とユダヤ人)は、イエスの名によって洗礼を授けられた人として新しい人間になった(3,9-11)。「新しい人間になった」というのは、イエスによって人間は神の恵みの内に生きるようになったということである。人間が生きる目的は「キリストと共に栄光に包まれて現れる」ことである(3,4)。

福音朗読:ルカ121321

人間は生活するためにさまざまな物や事柄を必要とする。しかし、人生の目的は物や事柄を集めることであるという考え方は間違っている(1220)。お金や経験は人間の最も大切な宝ではなく、人間の良い行いこそが最も大事な宝である。この世の宝について兄弟と争うことは間違いである。