メッセージ - A年 年間

今日の朗読は神性の二つの側面あるいは特徴を巧みに描いています。しかも、この二つの側面は一見すれば相反しています。一つは威厳、偉大さ、恐れの多さです。あまりにも人間を超えていますから、その前に立つ時人間は震えおののかざるを得ません。神とはどういうものか本当に分かった時に、人間にはその前に立ち、面と向かう資格も権利もないことを悟ります(ペトロ)。現在、問題となっているのは、神様を畏れ、尊敬すべき神聖なものというよりも、優しい、何でも見過ごす、甘やかしてくれる友達としてしか見なさないことです。

もう一つの側面は甘味さ、穏やかさです。聖なるものは確かに畏敬の念を抱かせる不思議なものだけではなく、人間の心を魅惑するものでもあります。神様はただ正義に満ちる恐ろしい存在ではなく、平安を与えてくれる、いや、平和のうちにしか見出されない存在なのです(エリヤ)。人間が動揺している時、心を乱されている時、あるいは一生懸命何としてでも神様を見出そうとしている時、神様を見失う危険があります。確固として日々落ち着いて神様の顕現を待ち望む恵みを願いましょう。

この二つの側面は両方とも大事であり、どちらかだけを選ぶことは出来ません。両方の側面を合わせて表すなら、それは父親に対する態度、「子としての愛」なのではないでしょうか。父親を尊敬し畏れていると同時に、慕い求め、信頼している子供の心がその模範だと言っても過言ではありません。