メッセージ - B年 年間

今日の三つの聖書朗読は、私たちを本当の意味で人間らしく生かすものは何なのか、を考えさせる箇所です。

第一朗読の出エジプト記(16:24,12-15)では、荒れ野で食べ物が思うように得られない状態で、「奴隷でもエジプトにいればパンを腹一杯食べられたのに」と不平を声を上げるイスラエルの人々の様子が描かれています。彼らに対して、主なる神はモーセに「あなたたちは夕暮れに肉を食べ、朝にはパンを食べて満腹する」と伝えさせますが、それは「あなたたちはこうして、わたしがあなたたちの神、主であることを知るようになる」ためでした。食べる物があるかないかだけにとらわれていた人々に、食べる物、必要なものを与えられる神に心を向けることが大切なのだと知らされます。

第二朗読の使徒パウロのエフェソの教会への手紙(4:17,20-24)では、キリストのことを知ったのなら、それにふさわしい「新しい」生き方をするように、と促されています。イエスの内にある「真理」を知ったのなら、その真理のうちに生きなさい、という教えです。

ヨハネ福音書(6:24-35)では、第一朗読と似たような状況が描かれています。パンを食べて満たされた群衆は、腹を満たす食べ物を求めてイエスのもとに押し寄せてきます。けれども、イエスは、ご自分を命を与える天からのパンとして示します。パンを食べて満足するのではなく、そこに神の業、神の恵みを見出すことを求められます。

毎日の食べ物は生きるために欠かせないものです。けれども、自分の腹を満たすことだけに一生懸命になって、その食べ物を食べることができるようにしてくれている人々への、そして私たちを生かしてくれている神への感謝を忘れないようにしたいと思います。その時、私たちは、飢えている人、生きるのに精一杯で困っている人への思いを持つことができるでしょう。


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